食べログが普及する以前は飲食店との一期一会の出会いがあった

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食べログのおかげで、日本中の飲食店の情報をネットで得ることができるようになりました。前調べでだいたいのことが分かるので、ネットが普及する前に比べて、お店選びで失敗することも格段に少なくなったものです。暇さえあれば、どこか美味しいそうな飲食店はないかなーと食べログを眺めてしまう今日このごろです。

ところで、私がこれまで食べたなかでもっとも美味しいと感じた中華料理は、神田の駅前にあった上海料理屋さんなのですが、これがどうしても食べログで見当たりません。随分昔のことですので、神田という記憶がそもそも間違っているのかもしれません。しかし、近隣の中華料理屋の情報を調べても、やはりそれらしい店には行き当たらない。ひょっとしたら閉店してしまったのでしょうか?しかし、あんな美味しくてリーズブルな飲食店が経営不振に陥るとは、どうしても思えません。ああ、懐かしのあの店。そこで上海料理を食べるまでは、中華料理と言うと四川料理のことばかりだと思っていました。唐辛子や花椒をたっぷりと効かせた辛い中華料理です。あれはあれで大好きなのですが、私が神田で食べたと記憶している上海料理は、すごくシャープで洗練された味でした。油っこさがまったくなく、味付けは質素。しかし、物足りところは全くなく、確かな素材の旨味を感じさせるような料理。中華料理にはこんな一面もあるのかと心底驚かされたことを今でも鮮明に覚えています。それなのに、再訪しようと思っても、お店の場所が分かりません。神田を訪ねても、それらしきお店が見つかりません。食べログでなら見つかるだろうと期待しても、食べログですら見つからない。世の中の全ての飲食店がネット上にカタログ化されるような時代にあって、全くもって情報に行き当たらないだなんて、なんだか幻のような飲食店です。

きっと食べログが普及する前までは、みんなこんな感じだったのでしょうね。印象に残る飲食店と出会っても、それが不慣れな町で偶然入店したような店であったならば、再訪することは難しい。そんなふうな飲食店との一期一会の出会いが、情報社会以前には溢れていたんだと思います。今となっては幻のような時代です。

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